2010年10月29日金曜日

90mロングラインの日



「えー、明日晴れなんで90mのロングラインやるんですけど」
ということで行ってきたわけです。

「道具は揃えたんで何もいりません!」
とはいえ、あまりそういった言葉を信用しない私。なぜならば、我らの代表はいらないと言いつつ、私が持って行った道具をあてにする。代表の信念は、足りない中で試行錯誤することが楽しい、である、らしい。私の信念は、持てるものは何だって持って行く、である。徹夜で無睡眠フラフラということもあり、これだけはって道具だけを念のため持って行くことにする。それでも重い。 それがなければ、どうなっていたことやら。

さっそく100m張ろうぜ、と控えめに言うJeremieにどのくらいの時間で張れるか聞く。20〜30分?今回はHIGH on a WIREの知識で張るのではない。私はあくまで人足である。とはいえ、男三人だけで張るとは!この道具で?どうみても道具がいくつも足りない。我らが代表は天才奇才の歳々だが、彼でも気づかない秘術がフランスにはあるのだろうか。 私はあくまで人足である。
と、Jeremieが固まった。
日本に手ぶらで来るからだろ!やっぱり道具が足りない。20mのハイラインを張る道具では100mは張れない。我々の禁断の秘術をあてにするMax。お前が何もいらないって言うから!さらに魔法のアイテムであるダイニーマスリングが、私が持ってきた一本という有様。スリング系は重いから持ってきたくないのだ。臭いし、消耗品ナンバーワンだし!Jeremieは、まさかこんな東の辺境に知識をもった人間がいると思っていないようで、さっそく諦め顔である。というか、いつもはTancredeがバックアップなどうるさいこと言いながら張るらしく、そんなに手慣れているわけではないようだ。とりあえず代表に電話する。もちろん平日の昼間である。でるわけがない。うーん。JeremieとTancredeの関係。私と代表の関係。うーん。私とMaxの関係。うーん。似ている。道具が足りない場合、我らが代表ならどうするか。目を閉じてみる。うーん。うなされる。そうだ!我々がスラックラインを始めたとき、クライミングの道具は腐る程あっても今みたいに便利な道具は充分に無かったじゃないか。今も充分ではないが。その場その場で新しい技を開発してきたじゃないか!必死でその情景を思い出す。眠くなるので目は閉じない。よし。このたった一本のダイニーマスリングで、急場をしのぐのだ!FRロゴがプリントされた無駄にたくさんあるクソ重いスチールカラビナがギラギラしている。こんだけの数揃えるのにどんだけ大変だったことか。くそ!とは心の中だけにする。Jeremieに日本の技術も大したもんだとおもわせるのだ。
代表は重い道具が大嫌いだから、いやクライミング界の大御所っぽい年と風貌だから、よくスリングを多用している。あの技を信じるのは実際に何度もテストを重ねたからこそだ。3トンの荷重を処理させるのだ。代表見ていてください。ヒロポン師見ていてください。スリング一本で、高価な道具2つ分の働きをしてみせます!よし、スリングを手にした私をJeremieは完全に疑っている!

「うんとこどっこいしょー」ということで、90m張れました。

ただ最初に想定した引きシロが少なく、引ききってみたものの地面に付くか付かないか、な感じ。ロングラインでシステムを組む場合は長さの10%くらいを目安にするといいよとは言えなかった私。しかし三人で張ったとは思えないテンションでトライできたことは大きかった。泥の上に投げ出され、奴隷のように綱を引く。ロングラインの醍醐味はやっぱりセッティングにあるなーと再確認。


Jeremieはオリジナルトリックのメイクに躍起。Maxも一緒にトライするが中々形にならない。うーんJeremieスゴい。カッコいいし。特大のバックフリップを織り交ぜつつ何度も盛大にコケていた。もちろんマットはない。Jeremieのトリックはデカさユルさを兼ね備えたオリジナルのカッコヨさだ。見るべきスタイルがある。ベタ褒めのそしりを受けても構わない。体験会の時にはこんな姿見せなかった。そしてトリックをバカ撃ちしたあとロングラインやってと隙間がない。歩く以外何もできない私はもちろん見学であるが、すんごいエネルギーをもらう。Maxも盛大に影響を受けている。うまくなった気がする。気がする。するだけ。だが、これがプロの仕事だ。
そしてMaxはロングラインでススキ越えをモノにする。前に一緒に50mをトライした時は夏のススキで2倍程もひどかったとはいえ、今回のススキ越えは成長を感じさせた。Jeremieは障害付きロングラインは初めてらしく、ススキ越えを面白がって撮影する。見た目以上にすごく難しいんだよ、ススキ越えは。


結局、Maxは90mの最後10mの魔界に苦しみ渡りきれぬまま。Jeremieと私は半分。最初は調子にノッて行けると思ったんだけどなー。Maxとのボルダリングセッションを思い出す。ロングラインは完渡できなけりゃ距離に意味はない。トリックはマットなしでメイクという。JeremieやMaxは、やっぱりその辺よく分かっている。わかっている奴らとの会話はとても楽しい。


三人してクタクタ、動けなくなった一日でございました。


L:90m - H:2m
SLACK.FR/Dark Blue
伸縮率5.5%
固い乗り心地。
エッジは凶器。
この固いラインでやっていくのだろうか。
緩まない利点の方が大事なのだ。
傷みやすいラインなのでかなり気を使う。

2010年10月28日木曜日

FRの体験会

遅い更新に自信があります。
先日のSLACK.FR体験会に行ってきました。
というか、ごちゃ混ぜになったままの道具を返しに行ってきたのです。
読みにくい?
そんなこと言われてもねー。


Omi:ムチャ言わないでくださいヨー。
そうなんでもポンポンできるわけじゃないんですヨー。

ふん、言うとやるくせに。
軸ズレバックフリップいいなー。
Jeremieとのセッションで成長した感、ある。


Max:奴らの希望で張りが弱いんすヨー。
短いけどめちゃくちゃ怖いっすヨー。
始めから終わりまでずーっと魔界(支点付近の嫌な領域)なんですからムリ言わないでくださいヨー。

視線ください!ってフザケたら、律儀にカメラ目線。
えー、できませんよー、という叫びが欲しいところだったけれど。
まーいいか。


って、肋骨ヒビいってるんでしたね、Max。


Tancrede:イイカ
リーシュノソンザイヲケスンダ
タカイトコロダトオモウナ
キモチデイケ

確かに違いがない。
そんなように見えるだけか。
次元が違いすぎて腹が立つ。
そうMaxが言う。 


Jeremie:トンクレードネー
アイツワスゴスギルンダヨ
オレワフリーソロナンテスキジャナイヨー

ハイラインもやるけどトリック大好きJeremie。
Tancredeの狂ったパフォーマンスに呆れていた。
フリーソロなのに、ラインを左右にブンブン振るんだもん。
命綱が付いてませんよー!

L:6m - H:6m
SLACK.FR/SET PRIMITIVE

2010年10月27日水曜日

90mロングライン


L:90m - H:2m
SLACK.FR/Dark Blue
Riders:Jeremie and Max...
なるべく早く更新できるよう努力します。
今日はこんな写真だけで許してください。

2010年10月6日水曜日

60mロングライン



60mを
キンキンにしようと思えばできますが、
したくありません。
だって怖いもん。
そのうちやりますがね。

乗り心地を追求する張り職人。

最近、
我々HIGH on a WIRE は、
職人化しています。
種類の違うラインを張り比べては、
あーでもない、
こーでもない。
張り方の硬軟。
乗る技術よりも、
張る技術ばかりが上達しています。

今のところ、
GIBBON PROLINE の素晴らしい乗り心地、
これに勝るラインはありません。
こないだのハイラインイベントで張った赤いヤツです。
ですが、
チューブ構造のため、
ラチェットも使えないし、
(もちろん60m以上ではどんなラインだってラチェットは意味をなさない)
簡易固定もできない。
なぜなら、
テンションで圧着してしまうから。
カラビナや、
SLACK.FRのLINELOCKで固定しなくてはならず、
使い勝手は悪い。
妥協できるアイディアもあるにはあるけれど。
紹介するべきか否か。
まだ確証はもてない。

とはいえ、
張り方さえ工夫すれば、
その乗り心地たるや、
まさに、

雲の上!

っぽいよ。

L:62m - H:2m
GIBBON/PROLINE
伸縮率10%
圧倒的な乗り心地。
これはまちがいない。
これがイイのだ。

流しそうめん



7月末、
流しそうめんをやったとき。
綱渡りはこうなりました。

柱が、
歪んで、
揺れて、
異次元の難しさ!
いくらテンションをかけても、
柱がうわわーんと
鳴くだけ。
これはこれで面白い?

この日は、
5〜6割しか進めず。
支点が揺れるって、
強烈に難しいですぞ。

L:30m - H:5m
WHITE MAGIC
これが日本で販売されたらいいなー。
'09のハイラインイベントで使用。
圧倒的な耐久性、
柔らかい乗り心地、
そして扱いやすさ。

最高の妥協点。

2010年10月3日日曜日

下の映像の続き

下の動画の続きです。

先日、

ってけっこう前ですが、

100mのロングラインを張ったとき、

ギンギンに張りました。

もうキンキンです。

人力で。

我々で言うところの、

72人力。

4t超えなのかな〜

もうトランス状態を喚起する、

興奮とともに。

そして、

システムは崩壊しました。

まさか!

です。

崩壊を知ることで、

限界を知ったわけですが、

何が怖いのか、

わかってもらえたでしょうか。

ハイラインのセッティングは、

そんな犠牲の上で、

安全テストの繰り返しの後で、

経験から得られた、

4重5重のバックアップで、

成り立っています。

海外人ならバカにするほどのバックアップじゃないかな〜

やつらホントバカだし。

ビビった?

小出しではありますが、

経験を共有していけたらなんて、

甘いですかね。

2010年10月1日金曜日

驚愕の映像



ハイライン驚きの映像。

何が驚きってねー。

長さ?

高さ?

テクニック?

チガウチガウ。

本質はそんなところにない。

これはヒッジョーに怖い。

怖すぎる。

モドシソウダ