2010年11月21日日曜日

道具の破断について

昨日は60m。

今日は100 90m。

ロングラインやってきました。
Youtube等で紹介されているような道具がほとんどないのに、です。ダブルプーリー(二連滑車)、プーリー、スタティックロープ(あまり伸びないロープ)。そんなロングラインのキモである道具の数々が、ことごとく無い状況で、です。代表がワケあって道具の数々を忘れたというか、代表のポリシーは「無けりゃ無いでどうにかする、ダメならやらね」、ですから、分かっていながら持ってこなかったとも言えますな。二日連続でやっているのに、二日目も同じセットのままって、ワザとか?って言いたくなりますが、もちろん言いません。で、まー、張るわけです。奴隷のように。スタティックロープはダイナミックロープ(フリークライミングで使うロープ)で代用。張ったことのある人なら分かる話ですが、伸びるからロスが出て非常に張りにくい上、時間も余計かかります。ダブルプーリーやプーリーは、プーリーモドキな製品で代用します。って環付きカラビナです。もう知っている人には拷問のようなシステムです。ロスと抵抗で、もう大変なわけです。とはいえ、60mは三男子で張ることができました。大変でしたが。それはそれでやたら楽しいのです。で、100 90m、二男子。距離がかなり伸びて男子減る。ほとんど不可能です。結果から言えば、支点2m、中央部でギリギリ接地してしまうくらいには張れました。ザ・二時間で。トライは三十分。ユレルユレル。道具が充分なら三十分で張れるでしょう。

ハイラインに取り組み始めてみて、代表がよく口にすることがあります。

「システムを破断させてみたい」
「ロープを切ってみたい」
「ラインを切ってみたい」
切るって、これはハサミで切るわけではなく、力を、テンションをかけ続けて引きちぎってみたいということです。狂ってます。変態です。なんでかといえば、メーカーでもそうそうやらないことをやっておけば、何がおこるか分からないということを少し回避しやすくなります。人に言われたからとか、保証されているからとか、全くあてになりません。代表は素直じゃありません。リスクをできる限り回避しつつ、回避できないならバックアップをとることが生き残る術、そんな世界があります。とはいえ、我々がやっていること自体、明日には自身で全否定するかもしれませんが。
上記三つのうち二つを実現してしまいました。2010夏に100mを張った時、システムが崩壊。想像をこえるテンションをかけてしまったが故にです。人が乗ってもタワマナイ100mって。Youtubeで気軽に紹介されているシステムとほとんど変わらないのに、です。ロングライン/ハイラインは、長さに関わらず、張りすぎると大変危険です。声をかけあって冷静に張りましょう。そのテンションに誰かがビビリだしたら潮時です。「揺れるくらいがちょうどいい♪」と割り切って。何も計れません、感覚が全てです。

ロープは今日切りました。

うーん、嘘。正確にはロープの外皮がトンだだけですが、バックアップをとっていなければ、ちょっとヤバい状況でした。バキーンと音がして、見ると、ロープの色が青から白へ!バックアップが作動している、ガーン!芯がズルリと見えている。芯もささくれてるし。芯さえ平気ならとは、クライミングなら状況次第ですが、ロングラインで外皮がトブと、場合によっては、金属の固まりが色々ブットンできます。100 90mを張るうちの、まだまだの段階で、です。キンキンの状況でおこったわけではなく、ユルユルの状態(とはいえ全体で1t以上の負荷)で、です。今回の原因は、「クタクタ使い倒しのロープ」、「必要な道具が足らない最少のシステム」の二つ。でも外皮がトぶのは充分準備した新品でもおこりえます。だって、そんな使い方するなんて、誰も想定していない製品です。運が悪いと、準備が足りないと、一体どうなるんだ。予兆は必ずあります。ピシ!と音がしたとか、なんか道具が歪んで見えるとか、そもそも安全環閉め忘れとか、色々です。バックアップと五感。信用すべき場所とそうでない場所の見極め。そうそう、ロングラインでシステムそのままにトライしている映像が多いですが、正直怖いです。100 90m以上を張るだけで、二度も崩壊しているのに(自分たちのせいだけど)。まー、バックアップがないシステムを信用しなけりゃチャンスを失う場合もありますが、自分たちで張るなら、必ずバックアップシステムを構築します。


HIGH on a WIREでは、
約30m〜50mのラインには、
スチール製の環付カラビナを必要数。
環付アルミはできるかぎり減。
約50m〜のラインには、
もしくは、
短くともハイラインならば、
50KN以上のスチールカラビナをメインに、
トライ。
いつでも状況にあったバックアップを忘れずに。

次回:スタティックロープについて。

※明日には全否定するかもしれません。

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